素材編|小麦による違い
小麦粉についてはこちらをご参照ください。
ミキシングにおいての変化を考えていきます。
基本的には、灰分の含量は生地を締める効果があることもありますが、
今回はタンパクだけにフォーカスを当てていきます。
タンパク質含量は、小麦粉によって異なります。
そのため、一概に言えませんが、タンパク質含量が多い小麦粉は水が入りやすくなります。
(グルテンの保持力が高いため)
また、質の高い小麦は白く・粒子が細かいため、
生地の出来もよく、均一な安定した生地ができやすくなります。
そのため、タンパク質含量が高く質が高い場合、
生地がある程度できるまでのミキシング時間は短くなる傾向にあります。
ただし、グルテンを限界まで作るイメージの場合、グルテンの質もいいため、
想像以上にミキシングをかけられることもあるため、見極めが肝心です。
とはいっても、質がいいと見極めも範囲が広くなるため、
質の高いパンが焼きやすいという安定性の部分でもおすすめです。
(ホルモンみたいですね。ホルモンはタイミングがわからないのではなく、食べごろが非常に長いらしいです。)
一般的には、タンパク質含量が低い場合は、水が入らないため、
北米産(カナダ・アメリカ北部)の小麦粉に比べ2%〜5%程度は減らすこととなります。
そうすると、ミキシング時間自体はそれほど変わらない場合もあります。
単純にいいパンを安定して焼きたい!!という場合は、
質のいい素材をしっかりお金をかけて行うことが一番です。
質が悪いものはいくら何をやっても質が悪いため、どうにもなりません。
素材はできる限りケチらないようにしましょう。
2019-08-17 15:27:49
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小麦粉の種類はざっくり4種類くらいに分けられています。
薄力粉(お菓子・天ぷらなど)
中力粉(うどんなど)
準強力粉(フランスパンなど)
強力粉(食パンなど)
何が強い薄いって、グルテンを作れるタンパク質の含量によって決まっています。
一番下の強力粉から薄力粉に向かってグルテンの含量が下がっていきます。
簡単にいうと薄力粉でパンを作るのはかなり厳しいよってことになります。
天ぷらやお菓子は切るように混ぜると言いますが、
それはグルテンを形成しないようにすることで軽い食感(もちもちなどしない)にするためです。
その分形状は水に近くなっています。
パン作りにおいて、このタンパク質含量の違いが大きく影響してきます。
ちなみにアルテの食パンは、現在カナダ産1CWのさらに上質な部分を集めた最強(個人的感想)の
強力粉日清製粉ビリオンを使っています。
よく国産小麦は・・・と聞かれますが、美味しさ・価格・安定性の点でまだカナダ産には勝てないと考えているため、使用していません。
では、タンパク質含量にどのような差があるかと言いますと、
イメージは、一般的に国産小麦は準強力粉くらいの含量となります。
ゆめちからはタンパク質含量がかなり高いと言っていますが、
そのタンパク質含量をキープするためにふすま成分(小麦の皮の部分)
が多く入っているため、くすんだ色と独特な香りがします。
どうしてもふすまに近い部分のタンパク質含量が高いため、仕方ないことなのですが。。。
味が好きというのであれば、国産小麦の選択もありだと思いますが、
今年も天候不順で超高騰していたり、購入できなかったり、安定性には欠けます。
また、タンパク質含量が低いため、水の量を制限することが必要となり、
しっとり感が落ちやすくなります。
頭ごなしに国産じゃーというのではなく、求めるパンにあった小麦を選択してくださいね。
香りは灰分、食感・生地処理性はタンパク質などを踏まえて配合を組み立てることが重要です。
なにより自分が求めるものに近いことが重要なので、色々試して、答えをはじき出し、
さらに上へ上へと目指していきましょう!
2019-08-11 16:39:33
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